アイドルの激痩せと過食嘔吐告白、大食いやヴィーガンの死。この夏の「痩せ姫」事情を振り返る【宝泉薫】 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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アイドルの激痩せと過食嘔吐告白、大食いやヴィーガンの死。この夏の「痩せ姫」事情を振り返る【宝泉薫】

 

 そしてもうひとつの訃報は、海外から届いた。39歳のインフルエンサー、ロシア国籍のジャンナ・サムソノワが旅先のマレーシアで客死したという。

 若さを維持するためにヴィーガンとなった彼女は、SNSで数百万人のフォロワーを獲得。

「果物とひまわりの芽、果物のスムージーとジュースだけを摂取する」

 と語り、7年前からトロピカルフルーツだけを食べていたようだ、という知人証言もある。

 ただ、SNSに投稿された姿が痩せ細っていたことから、実質的な死因は拒食症なのではという見方も。周囲の人々も「餓死」という表現を使っている。ちなみに、ヴィーガンがこのような状態に陥ることは意外と珍しいことではない。

 それでも、ヴィーガンやベジタリアンにはヘルシーなイメージがあるし、大食いにしても元気の象徴だ。そういう食べ方にこだわったり、そんな食べ方で活躍していたりという人が、相次いで30代で亡くなったのは気になることでもある。健康と不健康の境は曖昧というか、いくらでも反転するものなのだろう。

 そんななか、元AKB48でセンターも務めた岡田奈々が大胆な告白を行った。このサイトでも何度かとりあげてきた彼女は、2016年に摂食障害をカミングアウト。その経緯などについて「【摂食障害】個人的経験談をお話し致します【過食嘔吐】」と題した動画のなかで、より具体的に語ったのだ。

 高校時代、一日9食プラス間食(菓子パン、ドーナツなど)をしても満足できず「冷蔵庫に入っている家族の食事まで食べる」「冷凍食品は解凍する時間も惜しくてそのままボリボリ食べる」という過食状態に陥った彼女。「吐いちゃえばいいんだ」と思い立ち「すいません、汚い話になります」と断ったうえで、実際にやっていた吐き方を説明した。

「そのまま体も顔も綺麗に洗い流せるからっていう理由でお風呂で吐いていたんですけど、その汚物吐瀉物を桶にすくって入れて全部それをこっそり誰にもバレないようにトイレに流し、そんな毎日を送っていました」

 その様子を母に知られてしまったことから、吐く場所をトイレに変更。自宅以外の外出先、それこそ公演が行われる現場のトイレでも吐き、多いときは一日5回にも及んだという。

次のページ指を突っ込んで無理やり自発的に吐かせる方法だった・・

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宝泉 薫

ほうせん かおる

1964年生まれ。主にテレビ・音楽、ダイエット・メンタルヘルスについて執筆。1995年に『ドキュメント摂食障害―明日の私を見つめて』(時事通信社・加藤秀樹名義)を出版する。2016年には『痩せ姫 生きづらさの果てに』(KKベストセラーズ)が話題に。近刊に『あのアイドルがなぜヌードに』(文春ムック)『平成「一発屋」見聞録』(言視舎)、最新刊に『平成の死 追悼は生きる糧』(KKベストセラーズ)がある。ツイッターは、@fuji507で更新中。 


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